銅板葺きとは

歴史とともに変化し残る銅板葺き
日本で銅を建築に使用し始めたのは飛鳥時代と伝えられています。
当時は日本で銅が採れなかったので寺社仏閣のごく一部にしか使われていませんでした。
その後、室町時代から日本で銅が産出され、建物の飾りや金具に使われるようになりましたが、銅を薄く伸ばす技術を持った職人が少なく屋根に使われることはほとんどありませんでした。
屋根として使われるようになったのは江戸時代からです。「火事と喧嘩は江戸の華」といわれるほどに江戸時代は火災の多い時代でした。
その為、大切な経典や宝物を火から守るために屋根を茅葺から銅板に葺き替えることを幕府が提案し、寺社仏閣の屋根は銅板葺きが主流になったのです。

神社・仏閣の屋根と言ったら落ち着いた緑青色が思い浮かぶと思いますが、葺きたてはピカピカで華やかなアカ色(赤橙色)です。酸化皮膜が発生していくことで色の経年変化を楽しみます。鉄の錆などとは違い、これ以上酸化が進まないため、耐久年数も粘土瓦と同等かそれ以上とも言われています。また非常に軽量なので建築物への負担が少なく耐震性が高い施工技術です。
銅板葺のもつ独特の魅力
加工の表現幅が広い
大きな鬼飾りから小口包みや隅飾り等の精密な模様まで表現可能
美しい色の変化
煌びやかなアカ色から緑青色の変化が仏閣の荘厳さを惹きたてます
優れた耐久性
耐久性・耐震性に優れ、メンテナンスも基本的にはいりません

技術紹介

日本の伝統建築を美しく守り続けたい

銅板葺きは技術やセンスが不可欠な特殊な技巧なので継承に時間が掛かるうえに確かな腕を持つ職人が減少傾向にあります。
私達は神社・仏閣などの後世に残すべき文化建築を守っていくこと。日本の伝統技術の継承に尽力しています。

事例紹介

この他にも小さな祠の屋根から鳥居の根巻き、灯篭・家紋・鬼飾りなどの飾り金物の制作。
特注サイズの銅板材の加工も承っております。
新潟 荒沢神社様
新潟 棚鱗神社様・八雲社
長野 山神社様
富山 神通川左岸浄化センター

銅板葺きへの想い

板金業で最高の仕事である銅板葺き
銅板葺きは本当に難しいです。ある程度銅板葺きが出来るようになるまで7~8年はかかります。
また、技術力やセンスも必要なので出来ない人は一生出来ないと言われる特殊な分野です。
代々続く板金屋ですが私は修行を積んで銅板を葺き替えられる技術を磨いてきました。

父や祖父が築いてきた歴史に新たな技術を加えたのが現在の徳橋板金株式会社です。
今まで、ご縁があって新潟県内・近隣県の銅板工事を施工させていただきました。葺きたての光沢のある「アカ」といわれるピカピカの赤褐色から、時が経ち緑青色に変わる屋根は歴史と重みを伝えてくれます。

板金で最高の仕事といわれる銅板葺きの技術を守り、温故知新をモットーに継承していきたいと思っております。